歌人・俵万智さん、俳優・千葉雄大さんが「声の案内人」に!浮世絵最高峰の春画三部作「三源氏」が揃う「歌川国貞・歌川国芳 ー新宿歌舞伎町春画展WA」が10月3日開幕

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役者絵の国貞、武者絵の国芳が春画で競演

「豊国にかほ(似顔) 国芳むしや(武者)」と称されたように、歌川国貞(三代豊国)は役者絵や美人画を、歌川国芳は武者絵を得意とし、それぞれが人気を博しました。本展では、得意分野を異にする二人の絵師が、春画という同じ土俵でどのような違いと魅力を生み出しているのかを比較して楽しむことができます。春画だけでなく、それぞれの得意分野の作品も合わせて展示されます。

歌川国貞(三代豊国)

天明6年(1786年)から元治元年(1864年)に活躍した歌川国貞は、江戸後期から幕末にかけて絶大な人気を誇った浮世絵師です。生涯に一万点を超える作品を手がけ、浮世絵史上最も多作な絵師とされています。『偐紫田舎源氏』の挿絵で一世を風靡し、その流行の中で通称「三源氏」と呼ばれる春画三部作を制作しました。絵師、彫師、摺師の技術の粋が春画にも惜しみなく注がれています。

歌川国貞の浮世絵

歌川国芳

寛政9年(1797年)から文久元年(1861年)に活躍した歌川国芳は、江戸後期から幕末にかけて活躍した浮世絵師です。31歳頃に『通俗水滸伝豪傑百八人之一個』で人気を集め、「武者絵の国芳」として名を馳せました。大胆な武者絵、奇抜な寄せ絵、猫を擬人化した戯画など、その発想力は多岐にわたります。春画では美人画としての魅力が際立ち、武者絵や戯画だけではない、もうひとつの国芳の世界が息づいています。

歌川国芳の浮世絵

国貞の春画三部作「三源氏」がそろい踏み

国貞の春画三部作は、『源氏物語』の舞台を室町時代に移した大ベストセラー『偐紫田舎源氏』が起こした「源氏絵」ブームの中で生まれました。空摺、艶摺、金摺、銀摺、そして1mmに3本を彫り分ける毛彫りなど、絵師、彫師、摺師の惜しみない技が注ぎ込まれ、春画だけでなく浮世絵木版画の最高峰と評されています。

『艶紫娯拾余帖(えんしごじゅうよじょう)』天保6年(1835年)頃

「三源氏」の中で最初に刊行された作品です。大ベストセラー『偐紫田舎源氏』と同じ柳亭種彦作・歌川国貞画のタッグで、物語もほぼその流れに沿って展開する、『偐紫田舎源氏』の艶本版と言えるでしょう。タイトルは『源氏物語』「五十四帖」のもじりです。

艶紫娯拾余帖

『花鳥余情 吾妻源氏(かちょうよじょう あづまげんじ)』天保8年(1837年)頃

洒落本・人情本作者の鼻山人による作品です。一条兼良の『源氏物語』注釈書『花鳥余情』をタイトルに拝借していますが、『源氏物語』に拠るのは天の巻の第一図のみです。附文は浮世草子『新薄雪物語』を作りかえています。1mmに3本彫る毛彫り、空摺の凹凸、艶摺の光沢など、浮世絵版画の素晴らしい技術が結集した春画が注目されます。

花鳥余情 吾妻源氏

『正写相生源氏(しょううつし あいおいげんじ)』嘉永4年(1851年)頃

人情本作家の女好庵主人こと松亭金水による作品です。越前福井藩主・松平春嶽が作らせた私家版という説もあります。雲母、金や銀を贅沢に使い、豪華さでは「三源氏」随一とされています。『偐紫田舎源氏』の光氏ならぬ室町御所の若君・吉光が、側室をはじめ、美貌と噂に聞いた幼い音勢とその母・浅香をも次々に相手にしていく好色物語です。

正写相生源氏

「声の案内人」俵万智さん、千葉雄大さんが春画の世界へ誘う

本展では、学びを深めるために初めて音声ガイドを導入します。歌人・俵万智さんと俳優・千葉雄大さんが「声の案内人」を務め、来場者は会場のQRコードを読み取ることで、手持ちのスマートフォンから無料で聴くことができます。英語版の音声ガイドも用意されており、展示解説も日本語・英語が併記されています。

歌人・俵万智さんの声で学ぶ『源氏物語』

俵万智さんは、国貞の「三源氏」が元にしたと思われる『源氏物語』『偐紫田舎源氏』を紐解き、描かれた場面の説明やそこで詠まれた歌について案内します。

歌人・俵万智さん

俵 万智(たわら まち)歌人

1987年に第一歌集『サラダ記念日』を出版し、ベストセラーとなり社会現象を巻き起こしました。2004年には評論『愛する源氏物語』で第14回紫式部文学賞を受賞しています。歌集『未来のサイズ』で詩歌文学館賞、迢空賞を受賞し、長年の清新な創作活動と短歌の裾野を広げた功績により、朝日賞受賞ならびに紫綬褒章を受章されています。最新刊『生きる言葉』も大きな反響を呼んでいます。

X(旧Twitter):https://x.com/tawara_machi

俳優・千葉雄大さんの声で楽しむ「歌川国貞・歌川国芳」展

俳優の千葉雄大さんは、春画、絵師、そして作品について、春画の世界の魅力を案内します。

俳優・千葉雄大さん

千葉雄大さんコメント

「今回、『歌川国貞・歌川国芳 新宿歌舞伎町春画展WA』の音声ガイドナレーションを担当させていただくことになりました。新宿歌舞伎町はもともと足を運ぶことがなかったのですが、ここ1年くらいご縁があって遊びにいくことが多くなりました。喧騒の中で喜怒哀楽様々な感情が渦巻いており、僕もそうですが、いろんな縁がある。その歌舞伎町で春画展をやられることはすごく好奇心がそそられます。これまで春画や歌舞伎町にご縁がなかった方にも、これをご縁とし、遊びに来ていただけたら、うれしいです。」

千葉雄大(ちば ゆうだい)俳優

1989年3月9日生まれ、宮城県出身。2010年『天装戦隊ゴセイジャー』で俳優デビューし、映画『殿、利息でござる!』で第40回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞されています。近年の主な出演作には、『アンメット ある脳外科医の日記』(2024)、『ダメマネ!-ダメなタレント、マネジメントします-』(2025)、『おコメの女ー国税局資料調査課・雑国室ー』(2026)などがあります。主演舞台『二階堂朝陽は助けに来る』が10月17日より東京・大阪・富山にて、『ジャズ大名』が12月19日より神奈川・岡山・富山・愛知・福島にて上演予定です。

観るだけで終わらない!6企画・全15回のイベントを開催

「新宿歌舞伎町春画展WA」は「学び」を大切な軸の一つに据えており、春画への理解を深め、本展をさらに楽しむための数多くのイベントが用意されています。落語やカツベン、ホストによるくずし字講座、ギャラリーツアーなど、ジャンルを超えた6企画・全15回のイベントが開催予定です。これにより、文化と文化、人と文化、街と文化といった複数の「WA」=「輪」が生まれることが期待されます。

落語会ポスター

春画沼ツアーポスター

くずし字講座ポスター

企画の詳細、全日程、お申し込み方法は公式サイトをご確認ください。

第一線の研究者とクリエイターがつくる展覧会

本展は、作品の文化的背景や歴史的価値を正確に伝えることを重視し、第一線で活躍する専門家の監修・協力のもと企画・運営されています。

展示空間

  • 監修|浦上 満(うらがみ みつる)
    「北斎漫画」の世界一のコレクターであり、春画の魅力を国内外に発信する第一人者です。国際浮世絵学会常任理事、東洋陶磁学会特別会員を務めています。2013年には大英博物館の春画展で「Shunga in Japan LLP」を設立し協力し、2015年には永青文庫での春画展開催に尽力しました。

  • 学術協力|板坂 則子(いたさか のりこ)
    専修大学名誉教授、東京大学博士(文学)、国際浮世絵学会常任理事。専門は曲亭馬琴を中心とした江戸時代の文学・文化研究です。著書に『戯作と艶本 馬琴から英泉へ、艶本化の水流』(武蔵野書院、2023年)などがあります。作品や絵師解説、書入れ/詞書の読解に協力し、展示内容の学術的正確性を支えています。

  • アートディレクション・空間構成|林 靖高(はやし やすたか)
    現代美術コレクティブ「Chim↑Pom from Smappa!Group」のメンバーとして、国内外で数多くの展覧会やプロジェクトを手がけるアーティストです。作品が持つ歴史やユーモア、時代背景を体感できる展示空間を創出し、日本文化に親しみのない来場者や海外からの来訪者にも開かれた鑑賞体験を目指しています。

第二会場・グッズショップ ホストクラブBOND

ホストクラブBONDは、本展の第二会場として、展示に加え、本展のグッズショップとしても営業します。出展作をもとにしたオリジナルグッズは、第1回展で43種のオリジナルグッズが制作され、完売した商品もありました。今回も『Kabukicho Information Center』が制作を担い、「歌舞伎町と世界をつなぐ」をコンセプトに、歌舞伎町ならではの空気感や街が持つ独自の魅力を、遊び心のあるデザインに翻訳し、プロダクトとして発信しています。

BOND展示スペース

なぜ、歌舞伎町で春画展なのか

会場となる新宿歌舞伎町能舞台は、1941年(昭和16年)に「中島新宿能舞台」として建てられ、2022年にSmappa!Groupが取得した能舞台です。現在も観世流能楽師・中島志津夫氏(重要無形文化財総合指定保持者)による謡・仕舞の稽古が続く、歓楽街のただ中に息づく日本文化の拠点となっています。

新宿歌舞伎町能舞台

歌舞伎町という地名は、戦後この地に歌舞伎の劇場を誘致する計画があったことに由来します。実現しなかったその構想を引き受け、この街から日本文化を創り出し発信する──それがSmappa!Groupが春画展を続ける理由です。

春画は江戸時代、「笑い絵」と呼ばれ、みんなで笑い合いながら楽しまれた絵でした。人間のおもしろさやおかしみがそこに凝縮されているからでしょう。流れ着いた者を拒まず、日夜さまざまな人生が行き交う歌舞伎町もまた、春画の世界と地続きなのかもしれません。展覧会名の「WA」には、日本文化の「和」、人が集い語り合う「輪」、そして「笑い」の「わ」──三つの意味が重ねられています。

展覧会詳細

  • 展覧会名: 歌川国貞・歌川国芳 ー新宿歌舞伎町春画展WA

  • 会期: 2026年10月3日(土)~11月29日(日)

    • 前期:10月3日(土)~11月1日(日)

    • 後期:11月3日(火・祝)~11月29日(日)

    • 展示替え休館:11月2日(月)

  • 開館時間: 11:00~21:00(最終入場20:30)

  • 特記事項: 18歳未満入場不可

  • 会場: 新宿歌舞伎町能舞台/ホストクラブBOND ※受付は新宿歌舞伎町能舞台です

    • 新宿歌舞伎町能舞台|東京都新宿区歌舞伎町2-9-18 ライオンズプラザ新宿2F

    • BOND|東京都新宿区歌舞伎町1-2-15歌舞伎町ソシアルビル9F

  • 公式サイト:
    https://www.smappa.net/shunga/

  • 出展作品: 歌川国貞・歌川国芳の春画・浮世絵 約100点 すべて浦上蒼穹堂蔵

  • 解説言語: 日本語・英語

  • 音声ガイド: 無料(会場のQRコードから、お手持ちのスマートフォンでお聴きいただけます。日本語・英語)

    • ※作品保護のため、予告なく展示作品が変更になる場合があります。

    • ※時間の変更や臨時休館日を設ける可能性があります。最新情報は公式WEB/SNSにてご案内します。

チケット

  • 一般 前売1,900円/当日2,200円

  • 学生 前売1,200円/当日1,500円

  • 和合プラン(一般ペア) 前売3,500円/当日3,800円

  • 和合プラン(学生ペア) 前売2,000円/当日2,400円

  • 障がい者手帳・指定難病医療受給者証をお持ちの方+介添者1名 無料

  • チラシ割引:本展のチラシのご持参、またはチラシ画像のご提示で200円割引いたします。

  • 取扱: ArtSticker/アソビュー!/チケットぴあ/イープラス/GetYourGuide/Viator

  • チケット購入URL:
    https://www.smappa.net/shunga/ticket.html

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