現代中国の怪物作家 閻連科氏の『聊斎本紀』が第十二回日本翻訳大賞を受賞し重版
現代中国の文学界で「怪物作家」と称される閻連科(えん・れんか)氏による長篇小説『聊斎本紀(りょうさいほんぎ)』が、第十二回日本翻訳大賞の大賞を受賞しました。谷川毅(たにかわ・つよし)氏の翻訳による本作は、2025年4月に刊行されて以来、大きな反響を呼び、2026年6月8日に待望の重版が出来しています。

作品概要:異界と現実が混淆する壮大な物語
『聊斎本紀』は、中国古典の怪異短篇集『聊斎志異』を大胆に再構築した幻想文学作品です。物語は、皇帝に難題を突きつけられた絵師が自らを絵の中に封じ込める一方、皇帝自身が銀色の狐の夢を毎夜見るうちに『聊斎志異』の世界に魅せられていく様子を描いています。
人間の心臓を食べて転生しようとする妖怪、孔子の末裔と蘭の香りに包まれた美人三姉妹、富をもたらす酒の虫、人間と狐の愛憎など、物語が物語を引き寄せ、謎が謎を呼ぶ展開が特徴です。異界と現実が混淆し、逆転する壮大な世界観が広がります。
閻連科氏は、中国社会の不条理を鋭く描き続け、たび重なる発禁処分を受けながらも世界的な評価を確立してきた作家です。本作は、その閻連科氏が新たな境地を開拓した作品として注目されています。
第十二回日本翻訳大賞とは
「日本翻訳大賞」は、「読者と翻訳者のために、もっと開かれた翻訳の賞をつくりたい」という思いから2014年に設立されました。翻訳家の岸本佐知子氏、斎藤真理子氏、柴田元幸氏、西崎憲氏、松永美穂氏らが選考委員を務め、今回はゲスト選考委員として木原善彦氏も参加しています。日本の翻訳文化の発展に貢献し、多くの読者や翻訳者に愛されてきた賞です。
第十二回は、「2024年12月1日から2025年12月31日」までの13ヶ月間に発表された翻訳作品が対象となりました。ジャンルは問わず、小説・詩・エッセイ・評論などが選考の対象となります。
著者・訳者紹介
著者:閻連科(えん・れんか)

1958年中国河南省の貧しい農村に生まれました。80年代末から小説を発表し、「狂想現実主義」と称される独自の作風を確立しています。中篇『夏日落』(92)や長篇『人民に奉仕する』(05)が発禁処分となるなど、中国社会の矛盾を描き続けてきました。その一方で、2005年には老舎文学賞を受賞し、2014年にはフランツ・カフカ賞を受賞するなど、国際的な評価を得ています。近年はノーベル文学賞の候補としても名前が挙がる、現代中国文学を代表する作家の一人です。
訳者:谷川毅(たにかわ・つよし)
1959年生まれ。名古屋経済大学名誉教授。長年にわたり閻連科作品の翻訳を手がけ、日本に紹介してきました。閻連科氏の代表作である『愉楽』『丁庄の夢』『硬きこと水のごとし』など、多数の邦訳作品があります。その精緻な訳文は、『聊斎本紀』の濃密な世界観を鮮やかに伝えています。
受賞記念エッセイの期間限定公開
今回の受賞を記念し、本書の初版限定特典として封入されていた著者エッセイ「情趣と妄想と芥川龍之介――日本の読者の皆様へ」が、1ヶ月の期間限定でWeb河出にて公開されています。閻連科氏の創作の源泉である「妄想」について語られる貴重なエッセイです。
書籍情報
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書名:聊斎本紀
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著者:閻連科 谷川毅訳
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仕様:四六変型判/並製/456ページ
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発売⽇:2025年5月27日
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重版出来日:2026年6月8日
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税込定価:5,280円(本体4,800円)
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ISBN:978-4-309-20925-8
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URL:河出書房新社 書籍情報
※電子書籍も2026年6月中に発売予定です。詳細は各電子書籍サイトでご確認ください。
『聊斎本紀』は、その文学的価値と現代性により、読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞、雑誌ダ・ヴィンチなど、多くのメディアで書評が掲載され、「新境地の大傑作!」「中国文学の新たな到達点」といった読者の声も多数寄せられています。この機会に、ぜひ極上の怪異世界を体験してみてはいかがでしょうか。



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