〈夏帆シリーズ〉の軌跡
〈夏帆シリーズ〉は、2024年3月に早稲田大学・大隈記念講堂で開催された川上未映子氏との朗読イベントのために書き下ろされた短篇「夏帆」(「新潮」2024年6月号掲載)から始まりました。その後、「武蔵境のありくい」(同2025年5月号)、「夏帆とシロアリの女王」(同11月号)と中篇規模で展開され、読者の注目を集めてきました。
最終篇の詳細
最終篇のタイトルは「夏帆とモーターサイクルの男、そしてスカーレット・ヨハンソン」で、400字詰め原稿用紙にして250枚という大ボリュームです。村上氏自身が昨年末にニューヨークのイベントでのスピーチで「数週間前に書き終えたばかり」と明かしたこの新作は、世界的な関心を集めています。村上氏のこれまでのキャリアにおいて、これほどまとまった規模の連作を文芸誌に書き継いだのは初の試みであるとされています。
絵本作家・夏帆が描く物語、そして彼女自身の人生の物語がどのように結末を迎えるのか、どうぞご期待ください。
これまでのあらすじ
シリーズの主人公である絵本作家の夏帆は、編集者の紹介で出会った十歳ほど年上の男性とブラインド・デートをします。その男性は、出会い頭に夏帆の容姿をジャッジするほど失礼で、モーターサイクルに乗っていました(「夏帆」)。
その後、夏帆は夢に出てきたありくいに導かれるように武蔵境へ引っ越します。このありくいは、ジャガーに追われてブラジルから逃げてきた夫婦の奥さんで、愛する夫のために好物の「シロアリの瓶詰め」を入手してほしいと夏帆に頼み込みます。夏帆は言われるがまま商店街の「とぎや」を訪れ、何も知らない様子の店主と対峙しました(「武蔵境のありくい」)。
一方、浦和にある夏帆の実家では、母親に変調が見られました。五十歳を過ぎた母親は急に身なりが派手になり、同居する夫を放置して誰かと出かけているようです。不審に思う夏帆のもとへ、再びありくいの奥さんが姿を現し、「あなたのお母様にはシロアリの女王が取り憑いてしまったようです」と耳打ちする、といった展開が繰り広げられてきました(「夏帆とシロアリの女王」)。
雑誌データ
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雑誌名: 「新潮」2026年3月号
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定価: 1,200円(税込)
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発売日: 2026年2月6日(金)
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JANコード: 4912049010369
「新潮」に関する詳細情報は、以下の公式サイトでご確認いただけます。



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